レビューになりきれない映画評。でも、独自路線でまったりと語ります。
【SAYURI】
![]() | SAYURI (2006/07/05) チャン・ツィイー 商品詳細を見る |
どこから書き出すか…非常に難しい作品です。
普通は私はこの手のものは観ません。「この手」というのは、ジャポニズム的というか、オリエンタリズム的というか…この点は後で整理しましょう。
「普通は観ない」というのは、観れば絶対にいろいろな意味で後悔することがわかっているからなのですが、それでも観てしまったのは桃井かおりに敬意を表してです(笑)。
「あたしがぁ、オーディションを受けてまで出た映画を、観ないってわけぇ? 」とお叱りをうけそうなので。いえ、別に知り合いではありませんが。
結論から言うと、言われているほど悪くはない映画だと思います。
日本がどう描かれてるかとか、着物がどうだとか、芸者と舞妓がごっちゃだとか、なんだか花魁がまざってる? とか、所作がおかしいとか、そんなことはともかく、アメリカで作られた映画としては、十分に評価できる作品です。ただ、ちょっと惜しいなぁ、と思うのは正直なところ。
ロブ・マーシャル監督が何を描きたかったのか、ほんの少しだけは伝わってきました。だけど、やっぱり140分強は長すぎる。冗長になり過ぎて、メリハリがないのが痛いところです。たぶんそれも「昭和期の京都」を描いたら、こういう世界なんだ…というところなのでしょうが、いや、やっぱり長いよ。
役者さんは豪華ですね。
久しぶりに観たミシェル・ヨ―が相変わらずとても奇麗で迫力もあり、彼女が画面を引き締めてくれていました。桃井姐さんはいい感じに腹黒な「置屋のお女将」を演じていましたし。チャン・ツィイーは、残念ながらあんまり着物が似合わないし、ちょっとイメージが違うような。(あえて、ミシェルとチャンの間に桃井さんを挟んでみましたよ。)
映像もとても奇麗で音楽もさすがにジョン・ウィリアムズです。全体的に日本の風景に見えず、日本的な音楽になってないのは、これはもう仕方ないことです。
そういう批判をしだすと止まりませんよ。京都人が「英語しゃべってる」って時点でアウトですから、その手の批判をなさる方は観てはなりません(笑)。
この作品にはちゃんと原作があります。
私はこの原作は読んではいませんが、映画から原作がしっかりしていることは伝わってきました。それに、やはり私も日本人ですから「文化的な親和度」でもって、ある一人の芸者の生涯から描かれる物語を、少しは理解できるつもりです。
原作の雰囲気が伝わってくるからこそ、そこかしこにツメの甘さがある映画を、惜しいと感じてしまうのです。これはたぶん、私の中にある極めて日本人的な感性の部分です。それは見た目とかセリフとか、あるいは役者さんの国籍の問題なのではなくて、演出の問題なのだと思われます。「日本人なら共有できる感性」の部分を、掴みきっていない。ですから、日本人の間では当然評価が分かれます。こういった「感じ方」は、実は意識してどうなるものでもなく、これこそが実は私がこういう映画を敬遠する”オリエンタリズム”の問題なのですが…。この点は別稿で整理しましょう。
ただし、(「ダ・ヴィンチ・コード」と同様に)映画化にがっかり! 作品に選ばれていますので、原作の人気の高いアメリカでさえ、いま一つだったのか。
”ロブ・マーシャルは完全に原作を誤訳した”と評されていますから、まぁなんとも。
http://www.ew.com/ew/gallery/0,,20196409_3,00.html
いっそのこと、もっとシンプルに作ればよかったんじゃないかな。
所詮手の届きようのない境地を求めたのかもしれませんね。
映像美、音楽などを楽しみたい方には、お勧めです。
ですが、チャン・ツィイーの魅力を感じたい方は、絶対こちらです!!
同じ「片恋」でも、かなり違うのです。
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Author:わさきち
にゃんこの舟盛りの映画・アニメレビューを独立させてみました。ほぼ連動してますが、こちらのが若干マニアックでクドイ(苦笑)かも・・・。
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