レビューになりきれない映画評。でも、独自路線でまったりと語ります。
【ヘアスプレー】
なんといっても、ジョン・トラヴォルタの女装で話題性抜群だった「ヘアスプレー」(2007)。
こういう映画は、本当にアメリカらしくって好きです。極めてシンプルな真実を、歌と踊りで極上のエンターテインメントに仕上げるこの技は、実はミュージカル映画の伝統を持つアメリカの十八番芸。そして、そのメッセージが誰にも誤解なく届く、ということが素晴らしい。
ミュージカル映画というのは、とかく賛否の分かれるもののようです。演技の質が映画とは違いますし、表現方法も独特です。だからなのか、映画好きな方でも、「ミュージカル映画苦手」とか、舞台を見る方でも「ミュージカルは苦手」という方がいらっしゃるように思います。一般に、「お芝居・演技」と言った時に、そこに「歌う」ということが含まれない(とイメージする)ということに、ヒントがあるような気がします。
私は実はこれは日本独特の現象ではないか、と思います。
いわゆる「西欧」に限った話になってしまうのですが、あちらには古くからオペラやオペレッタが日常の中にありました。特にオペラは劇、音楽、造形などの粋を集めた「総合芸術」と呼ばれます。そしてその出自はまずは音楽(と歌唱)にあるのであって、お芝居ではありません。
ミュージカルは、この延長に誕生しました。
この点で、音楽を「効果音」としてとらえるストレートプレイ、映画などとは根本的に発想が違っているわけです。
日本も舞台芸能が伝統的に盛んで「能」「歌舞伎」など独特の世界を発展させてきました。これはむしろ「総合芸術」なわけで、オペラにより近い。どこで断絶してしまったのか、私にはうまく説明できないのですが、とにかく私たちには「能」や「歌舞伎」と、劇団四季や帝劇ミュージカルを引き比べようという気にはなかなかなりません。
つまり、「お芝居と歌と踊りが融合する」という感覚に、日本人は不慣れなように思います。
この点で、日本語訳したミュージカルを見事に大衆化した劇団四季の功績は大きい、と常々思っているのですが、これはまた別の機会に書きたいと思います。
話を『ヘアスプレー』に戻します。
本当は、そんな難しい話ではないのです。
歌と踊りに、素直に身と心を委ねてみてください。踊りだしたくなったら、主人公と一緒に踊ろう!
今日起こった些細な不愉快な出来事も、たいしたこじゃなかったかもって思えてくるはず!
とにかく、身も心もつかれた日にご覧ください。元気が湧いてきますよ。
正直に言えば、過去のミュージカル映画の名作と比して、特に何か大きな衝撃がある作品ではありません。この映画から、定番ナンバーが生まれるとも思いにくく、ミュージカルとしては小粒と言っていいかもしれません。舞台的な視覚効果を狙った演出はほとんど見られませんし、比較的シンプルな作りです。それでも、ヒットしたのは、そのシンプルさとコメディ要素に追うところが大きいのかもしれません。
メッセージ性については、正直言ってあってもなくても良いのだと思います。ただ、あったほうがないよりは物語として観やすい、という程度のもので、この映画のメッセージ自体をどうのこうのという必要はないと思います。
コメディとしても特にひねりもなく…と書くと、いかにも凡庸な感じになってしまうのですが、「不思議と元気が出る」のがこの映画のすごいところ。落ち込んでるときに観れば、救われるのは間違いないでしょう。
そして私にとっては、キュートなおデブちゃんの主人公さんより、なんともかわいらしいジョン・トラヴォルタ(!)より、メイベルを演じたクイーン・ラティファが一番なのでした。正直言って、歌の面ではちょっと弱いこの作品、ラティファの存在がなければ、かなり期待外れだったのかもしれません。クイーン・ラティファ、そう、名作『シカゴ』のママ・モートンですよ!!
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こういう映画は、本当にアメリカらしくって好きです。極めてシンプルな真実を、歌と踊りで極上のエンターテインメントに仕上げるこの技は、実はミュージカル映画の伝統を持つアメリカの十八番芸。そして、そのメッセージが誰にも誤解なく届く、ということが素晴らしい。
ミュージカル映画というのは、とかく賛否の分かれるもののようです。演技の質が映画とは違いますし、表現方法も独特です。だからなのか、映画好きな方でも、「ミュージカル映画苦手」とか、舞台を見る方でも「ミュージカルは苦手」という方がいらっしゃるように思います。一般に、「お芝居・演技」と言った時に、そこに「歌う」ということが含まれない(とイメージする)ということに、ヒントがあるような気がします。
私は実はこれは日本独特の現象ではないか、と思います。
いわゆる「西欧」に限った話になってしまうのですが、あちらには古くからオペラやオペレッタが日常の中にありました。特にオペラは劇、音楽、造形などの粋を集めた「総合芸術」と呼ばれます。そしてその出自はまずは音楽(と歌唱)にあるのであって、お芝居ではありません。
ミュージカルは、この延長に誕生しました。
この点で、音楽を「効果音」としてとらえるストレートプレイ、映画などとは根本的に発想が違っているわけです。
日本も舞台芸能が伝統的に盛んで「能」「歌舞伎」など独特の世界を発展させてきました。これはむしろ「総合芸術」なわけで、オペラにより近い。どこで断絶してしまったのか、私にはうまく説明できないのですが、とにかく私たちには「能」や「歌舞伎」と、劇団四季や帝劇ミュージカルを引き比べようという気にはなかなかなりません。
つまり、「お芝居と歌と踊りが融合する」という感覚に、日本人は不慣れなように思います。
この点で、日本語訳したミュージカルを見事に大衆化した劇団四季の功績は大きい、と常々思っているのですが、これはまた別の機会に書きたいと思います。
話を『ヘアスプレー』に戻します。
本当は、そんな難しい話ではないのです。
歌と踊りに、素直に身と心を委ねてみてください。踊りだしたくなったら、主人公と一緒に踊ろう!
今日起こった些細な不愉快な出来事も、たいしたこじゃなかったかもって思えてくるはず!
とにかく、身も心もつかれた日にご覧ください。元気が湧いてきますよ。
正直に言えば、過去のミュージカル映画の名作と比して、特に何か大きな衝撃がある作品ではありません。この映画から、定番ナンバーが生まれるとも思いにくく、ミュージカルとしては小粒と言っていいかもしれません。舞台的な視覚効果を狙った演出はほとんど見られませんし、比較的シンプルな作りです。それでも、ヒットしたのは、そのシンプルさとコメディ要素に追うところが大きいのかもしれません。
メッセージ性については、正直言ってあってもなくても良いのだと思います。ただ、あったほうがないよりは物語として観やすい、という程度のもので、この映画のメッセージ自体をどうのこうのという必要はないと思います。
コメディとしても特にひねりもなく…と書くと、いかにも凡庸な感じになってしまうのですが、「不思議と元気が出る」のがこの映画のすごいところ。落ち込んでるときに観れば、救われるのは間違いないでしょう。
そして私にとっては、キュートなおデブちゃんの主人公さんより、なんともかわいらしいジョン・トラヴォルタ(!)より、メイベルを演じたクイーン・ラティファが一番なのでした。正直言って、歌の面ではちょっと弱いこの作品、ラティファの存在がなければ、かなり期待外れだったのかもしれません。クイーン・ラティファ、そう、名作『シカゴ』のママ・モートンですよ!!
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映画「ヘアスプレー(2007年)」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ジョン・トラヴォルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ、アマンダ・バインズ、ジェームズ・マースデン、ブリタニー・スノウ、ザ...
2008.06.10 06:24
プロフィール
Author:わさきち
にゃんこの舟盛りの映画・アニメレビューを独立させてみました。ほぼ連動してますが、こちらのが若干マニアックでクドイ(苦笑)かも・・・。
ネタばれは書きません。
何事もポジティブにとらえたい性質なので、批評は前向きです。
貶すところしかないようは作品は取り上げません。
こんなスタンスです。
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