レビューになりきれない映画評。でも、独自路線でまったりと語ります。
『ラスト・キング・オブ・スコットランド』
ラスト・キング・オブ・スコットランド
The last king of Scotland(2006)
1970年代、ウガンダに独裁政治を敷いたアミン大統領の物語です。
アフリカを知らない方にこそ、観ていただきたい映画。
物語はスコットランド出身の若い医者・ニコラスの目を通して描かれます。
映画タイトルの ”The Last King of Scotland”も、この青年医と関係があるのですが、それは見ていただいてのお楽しみということで。
The last king of Scotland(2006)
1970年代、ウガンダに独裁政治を敷いたアミン大統領の物語です。
アフリカを知らない方にこそ、観ていただきたい映画。
![]() | ラストキング・オブ・スコットランド (2007/10/05) フォレスト・ウィテカー 商品詳細を見る |
物語はスコットランド出身の若い医者・ニコラスの目を通して描かれます。
映画タイトルの ”The Last King of Scotland”も、この青年医と関係があるのですが、それは見ていただいてのお楽しみということで。
この映画は当初、米で4館のみで上映されたそうです。反響が良く、半年後には全米中で公開になった、という話題作でした。確かに、ウガンダは地理的にも心情的にも遠い国ですし、独裁者の物語と聞けばそれほどのヒットとなるとは、予想が難しかったかもしれません。
ですが、観てみると納得の映画です。
一つには主演のフォレスト・ウィテカーの怪演。アミン大統領は写真でしか知りませんが、なんというか、生きて動いているイディ・アミンはこんなのであったろう、と思わせる凄さがありました。
もう一つは、「独裁」の描き方がすごくうまい。
「独裁」からイメージされるもののほとんどを具現化したアミン大統領だとは思いますが、それを普通に描写したのではあまりに普通すぎます。
アミンは、「ウガンダ」という国を愛し、そのためにあろうとした孤独な施政者でした。一方では孤独であるがゆえに、部外者だからこそ傍に置くことのできたニコラス医師に縋る幼い顔をもっていました。ニコラスが、スコティッシュでなくイングリッシュであれば、この物語は成立しなかったことでしょう。私は原作を読んではいませんが、このあたりに原作の妙を感じます。
ぶっちゃけて言うならな、ニコラス医師は、ここでは「世間知らずの白人」代表です。「世間」とは、厳しいアフリカ諸国の現状。そんな彼が、日本風に言うと「自分探しの旅」的な乗りで渡ったウガンダで、「人の好い(と彼には思われた)権力者」に目をかけられ、気づいた時には深みにはまっていた、というなんとも情けないお話なのですが、アフリカを、そしてウガンダを知らない方には、彼の「感じ方」が等身大で理解しやすいものとなっているのではないかと思います。「上から視点」でもなく、独裁者となっていったアミンを「解釈」するでも「分析」するでもない、”ただ人”からの視点が、貴重です。
ちなみに、ウガンダがイギリスの保護領から独立したのは1962年。アミンが政権を握っていたころは政情も落ち着かず、混乱の時代です。東アフリカは、植民地時代にはドイツとイギリスがくだらない利権争いを繰り広げた地域でもあり、その影響が少なからずどの国にも傷跡として残っています。ウガンダもそういった国の一つ。
私たちは植民地化された経験を歴史としても持ちませんから、フレンドリーなアフリカの人々の裏にある「白人社会に対する屈託した思い」というものにひどく鈍感です。そういった機微も、この映画では上手に描かれています。もうひとつ、イギリスとウガンダ、スコットランドとイングランドという二重の関係が、青年医師にアイデンティティの問題を突き付けている、というとところも面白い。
そうそう、アフリカに渡れば日本も白人社会ですからお忘れなく。現地の人々の「優しさ」に浮かれて、「自分が白人社会に属している」ことを忘れてしまうと、手ひどいしっぺ返しにあうことがありますので、お気を付けくださいませ。
映画の話に戻りますが、残虐シーンも若干はありますが、一見の価値ありの映画です。
ウィテカーはこの作品でアカデミー賞主演男優賞受賞。あれ? 主人公って、ニコラスじゃないのかな? まぁいいや。納得の演技です。
東アフリカで暮らしていたことのある私ですが、ウィテカーの演じるアミンは「そうそう、あっちの人ってこういう感じだよ」と思わず膝を叩きたくなる完全なアフリカの人。とてもカリフォルニア育ちとは思えない演技でした。
ですが、観てみると納得の映画です。
一つには主演のフォレスト・ウィテカーの怪演。アミン大統領は写真でしか知りませんが、なんというか、生きて動いているイディ・アミンはこんなのであったろう、と思わせる凄さがありました。
もう一つは、「独裁」の描き方がすごくうまい。
「独裁」からイメージされるもののほとんどを具現化したアミン大統領だとは思いますが、それを普通に描写したのではあまりに普通すぎます。
アミンは、「ウガンダ」という国を愛し、そのためにあろうとした孤独な施政者でした。一方では孤独であるがゆえに、部外者だからこそ傍に置くことのできたニコラス医師に縋る幼い顔をもっていました。ニコラスが、スコティッシュでなくイングリッシュであれば、この物語は成立しなかったことでしょう。私は原作を読んではいませんが、このあたりに原作の妙を感じます。
ぶっちゃけて言うならな、ニコラス医師は、ここでは「世間知らずの白人」代表です。「世間」とは、厳しいアフリカ諸国の現状。そんな彼が、日本風に言うと「自分探しの旅」的な乗りで渡ったウガンダで、「人の好い(と彼には思われた)権力者」に目をかけられ、気づいた時には深みにはまっていた、というなんとも情けないお話なのですが、アフリカを、そしてウガンダを知らない方には、彼の「感じ方」が等身大で理解しやすいものとなっているのではないかと思います。「上から視点」でもなく、独裁者となっていったアミンを「解釈」するでも「分析」するでもない、”ただ人”からの視点が、貴重です。
ちなみに、ウガンダがイギリスの保護領から独立したのは1962年。アミンが政権を握っていたころは政情も落ち着かず、混乱の時代です。東アフリカは、植民地時代にはドイツとイギリスがくだらない利権争いを繰り広げた地域でもあり、その影響が少なからずどの国にも傷跡として残っています。ウガンダもそういった国の一つ。
私たちは植民地化された経験を歴史としても持ちませんから、フレンドリーなアフリカの人々の裏にある「白人社会に対する屈託した思い」というものにひどく鈍感です。そういった機微も、この映画では上手に描かれています。もうひとつ、イギリスとウガンダ、スコットランドとイングランドという二重の関係が、青年医師にアイデンティティの問題を突き付けている、というとところも面白い。
そうそう、アフリカに渡れば日本も白人社会ですからお忘れなく。現地の人々の「優しさ」に浮かれて、「自分が白人社会に属している」ことを忘れてしまうと、手ひどいしっぺ返しにあうことがありますので、お気を付けくださいませ。
映画の話に戻りますが、残虐シーンも若干はありますが、一見の価値ありの映画です。
ウィテカーはこの作品でアカデミー賞主演男優賞受賞。あれ? 主人公って、ニコラスじゃないのかな? まぁいいや。納得の演技です。
東アフリカで暮らしていたことのある私ですが、ウィテカーの演じるアミンは「そうそう、あっちの人ってこういう感じだよ」と思わず膝を叩きたくなる完全なアフリカの人。とてもカリフォルニア育ちとは思えない演技でした。
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プロフィール
Author:わさきち
にゃんこの舟盛りの映画・アニメレビューを独立させてみました。ほぼ連動してますが、こちらのが若干マニアックでクドイ(苦笑)かも・・・。
ネタばれは書きません。
何事もポジティブにとらえたい性質なので、批評は前向きです。
貶すところしかないようは作品は取り上げません。
こんなスタンスです。
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