レビューになりきれない映画評。でも、独自路線でまったりと語ります。
アニメ:【攻殻機動隊S.A.C】 あなたもはまる”攻機”の世界!!
中途半端にアニメを観ると、なぜか無性にこの『S.A.C.』を観たくなります。
別に他のものが気に入らないわけではないのに、なぜでしょう? 中毒というやつかもしれません。
というわけで、26話、見てしまいました。おバカですわ(笑)。
私は原作も知りませんし、実は『Ghost in the Shell』『イノセンス』の押井作品より、こちらの神山監督の『攻機シリーズ』が大好きです。画もキャラクターデザインもテレビアニメ仕様(なんていうんでしょう? サービスカットっていうの??)なんですが、それも「ツッコミどころ」として面白い。
とにかく「よくできた世界と話」です。世界観がしっかりしている、キャラ設定がしっかりしている、ストーリーがしっかりしている、この3要素につきます。画も音楽も素晴らしいですが、基本の3要素があってこそ。
「攻機」世界というのは「キャラありき」ではないのです。多くのアニメは(ドラマも、ですが)、キャラ設定があって、それにあわせて世界が作り上げられる。この作品はまったく逆で、完成された世界観の中で、「少佐なら、バトーならこの状況下でどうするか?」ということでストーリーが進んでいくのです。
それがさらに「一貫してブレのないキャラ」となって、存在感を発揮している。
通常、SFやらファンタジー(のアニメ)では、その「オリジナルの世界観」をどこまで早く視聴者に納得させられるか、というのが大事だと思います。ナレーションを使ったり、文字に頼ったりといろいろと方法があるかとは思いますが、この作品では、ストーリー展開を追うだけで、無理なく世界観をつかめる。
例えば2話の「暴走の証明」で、電脳やら義体化、多脚戦車など最低限必要な情報が送り込まれて、設定が飲み込める。そして、「世界」とは別に「大テーマ」(つまり「笑い男事件」)に向かってストーリーが収斂していきながら、個々のキャラクターの背景が明らかになったり(第10話 Jungle Cruise)、AIのタチコマが"成長"して人間社会の考察をしたり(第15話 機械たちの時間)、とダレない全体構成になっています。
そして、おそらく第10話くらいまでなら、途中から見てもついていけるはず。むしろ、「もう一度最初から見たい」と思わせる構成力があります。この点が、神山監督の非常に優れた点であると、思われます。
緻密な作りこみ、完成された台詞の数々、そして貫かれる徹底的なリアリズム、ちょっとした遊び心の数々に圧倒され、質の高い映画と同等のカタルシスが得られます。世の中に飽いている方にとっては、極上のエンター・テインメントといっても良いでしょう。
J.D.サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が「笑い男事件」のモチーフとして使われていますが、別にサリンジャーを読んでいなくても大丈夫(と思う)。ちなみに、トグサが持ち歩いている『ライ麦畑でつかまえて』の単行本表紙は白水社版(野崎訳)とそっくりですから、芸が細かい。
特にサリンジャーを理解していなくってもストーリーは理解できると思われます。引用文など微妙に難解ですが、奇しくも最終話で荒巻課長が言うように「外部記憶装置無しではさっぱり理解できん会話」ということでいいんではないでしょうか。
ストーリー的には最後は見事に昇華し、『Ghost in the Shell』に回帰しています。作品の質を損なうことなく、原案者へのオマージュを忘れないあたり、さすが押井塾出身の監督です。アニメシリーズとしては2作目となる『精霊の守り人』の完成度の高さを見ても、なかなかの力量を感じます。たぶん、私は押井作品より、こちらのほうが好きです。「言葉」を多用していながら、言葉に依存していない。そういう感じが、妙にセリフの長い押井作品よりも好きなのかもしれません。
「何度目だ攻機!」というくらい見ていますが、不思議に飽きません。
「アニメはあんまり見ないなぁ」という方にもお勧めしたい作品です。少なくとも「マトリックス」3部作よりは出来がよいですから。
間違いなくはまります(笑)。
別に他のものが気に入らないわけではないのに、なぜでしょう? 中毒というやつかもしれません。
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というわけで、26話、見てしまいました。おバカですわ(笑)。
私は原作も知りませんし、実は『Ghost in the Shell』『イノセンス』の押井作品より、こちらの神山監督の『攻機シリーズ』が大好きです。画もキャラクターデザインもテレビアニメ仕様(なんていうんでしょう? サービスカットっていうの??)なんですが、それも「ツッコミどころ」として面白い。
とにかく「よくできた世界と話」です。世界観がしっかりしている、キャラ設定がしっかりしている、ストーリーがしっかりしている、この3要素につきます。画も音楽も素晴らしいですが、基本の3要素があってこそ。
「攻機」世界というのは「キャラありき」ではないのです。多くのアニメは(ドラマも、ですが)、キャラ設定があって、それにあわせて世界が作り上げられる。この作品はまったく逆で、完成された世界観の中で、「少佐なら、バトーならこの状況下でどうするか?」ということでストーリーが進んでいくのです。
それがさらに「一貫してブレのないキャラ」となって、存在感を発揮している。
通常、SFやらファンタジー(のアニメ)では、その「オリジナルの世界観」をどこまで早く視聴者に納得させられるか、というのが大事だと思います。ナレーションを使ったり、文字に頼ったりといろいろと方法があるかとは思いますが、この作品では、ストーリー展開を追うだけで、無理なく世界観をつかめる。
例えば2話の「暴走の証明」で、電脳やら義体化、多脚戦車など最低限必要な情報が送り込まれて、設定が飲み込める。そして、「世界」とは別に「大テーマ」(つまり「笑い男事件」)に向かってストーリーが収斂していきながら、個々のキャラクターの背景が明らかになったり(第10話 Jungle Cruise)、AIのタチコマが"成長"して人間社会の考察をしたり(第15話 機械たちの時間)、とダレない全体構成になっています。
そして、おそらく第10話くらいまでなら、途中から見てもついていけるはず。むしろ、「もう一度最初から見たい」と思わせる構成力があります。この点が、神山監督の非常に優れた点であると、思われます。
緻密な作りこみ、完成された台詞の数々、そして貫かれる徹底的なリアリズム、ちょっとした遊び心の数々に圧倒され、質の高い映画と同等のカタルシスが得られます。世の中に飽いている方にとっては、極上のエンター・テインメントといっても良いでしょう。
J.D.サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が「笑い男事件」のモチーフとして使われていますが、別にサリンジャーを読んでいなくても大丈夫(と思う)。ちなみに、トグサが持ち歩いている『ライ麦畑でつかまえて』の単行本表紙は白水社版(野崎訳)とそっくりですから、芸が細かい。
特にサリンジャーを理解していなくってもストーリーは理解できると思われます。引用文など微妙に難解ですが、奇しくも最終話で荒巻課長が言うように「外部記憶装置無しではさっぱり理解できん会話」ということでいいんではないでしょうか。
ストーリー的には最後は見事に昇華し、『Ghost in the Shell』に回帰しています。作品の質を損なうことなく、原案者へのオマージュを忘れないあたり、さすが押井塾出身の監督です。アニメシリーズとしては2作目となる『精霊の守り人』の完成度の高さを見ても、なかなかの力量を感じます。たぶん、私は押井作品より、こちらのほうが好きです。「言葉」を多用していながら、言葉に依存していない。そういう感じが、妙にセリフの長い押井作品よりも好きなのかもしれません。
「何度目だ攻機!」というくらい見ていますが、不思議に飽きません。
「アニメはあんまり見ないなぁ」という方にもお勧めしたい作品です。少なくとも「マトリックス」3部作よりは出来がよいですから。
間違いなくはまります(笑)。
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プロフィール
Author:わさきち
にゃんこの舟盛りの映画・アニメレビューを独立させてみました。ほぼ連動してますが、こちらのが若干マニアックでクドイ(苦笑)かも・・・。
ネタばれは書きません。
何事もポジティブにとらえたい性質なので、批評は前向きです。
貶すところしかないようは作品は取り上げません。
こんなスタンスです。
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