レビューになりきれない映画評。でも、独自路線でまったりと語ります。  
 
 
 
 

宮崎駿の最高傑作『となりのトトロ』

となりのトトロとなりのトトロ
(2001/09/28)
日高のり子坂本千夏

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「最高傑作」というのは、少し違うのかもしれませんが、(傑作って言ったらやっぱりナウシカだと思うし…)、素晴らしい作品です。

20年前の作品ですから、CGは使っていません。ですから、今の時代から見れば画は拙い場面もありますが、田圃を渡る風の様子、メイの表情など、アニメでここまでできるか、という職人的世界です。

ジブリ作品の中でも、とりわけ「ファミリー層の支持」が高い作品ということですが、やっぱり「草壁一家」が家族の関係が「こんなだったらいいな」だからでしょうか? 家族思いのお父さん、物分かりの良いサツキ、頑固だけれど本当は甘えん坊のメイ、お母さんは儚げで病弱で…。ある意味、なんだか憧れれてしまう家族構成です。わたしたちはえてして「完璧な家族」よりも、「どこか足りないんだけど、補いあっている家族」を美しいと考えてしまうようです。

末っ子さんは、メイの行動原理がよくわかるのではないでしょうか?
「ず〜っといい子にしてたんだよ〜。ねぇ〜」のシーンで、半泣きになりながらサツキにしがみつくメイは、「普段お母さんがいなくても、本当はうんと寂しいのを我慢して頑張ってるんだけど、やっぱり甘えたい盛りで、お父さんもお姉ちゃんもいないときは、どうしても我慢できない」んだな、と。あるいは、サツキがおばあちゃんの前で泣くのを見て「メイがなんとかしなきゃ」って、トウモコロシを抱えて走り出す、とか。

他でも、どのシーンも非常によく作り込まれていて、「観る」楽しさを喚起させてくれる作品です。新池で池さらいをしているオジサンたちが褌姿だったり、カンタが自転車を三角乗りしていたり、デートらしき男女がトラクターに乗っていたり、そういったものが、電灯やらお風呂、井戸、蚊帳といった小道具とともに、懐かしい時代を思い起こさせてくれます。

宮崎監督は『もののけ姫』以降、非常に説教臭い作風になってしまい、残念でならないのですが、この「トトロ」を見るとやはりすごいと思う。

この作品の中にたくされた思いというのはすごく大きいけれど、それを拾い上げるのは「受け手側の感性」でよい、という余裕があります。たとえば家族愛を強く感じる人がいるかもしれない。例えば、自然環境とおりあった生活に意義を見出す人がいるかもしれない。原風景として、心に刻む人もいるかもしれない。おそらく、「どうとってもらっても、この作品を観て、楽しんでもらえたなら嬉しい」と宮崎監督は考えたはずで、それが成功しているからこそ、20年たった今も「見て楽しい」作品であり続けている。

おそらく、宮崎監督が作りたいものは、未来少年コナンの時代からそれほど変わっていないのだと思います。ですが、この10年ほど、「思想」が先行してしまい、純粋に「作りたいものを作る」熱意と情熱が直球で伝わってこなくなってしまいました。CGで可能性が広がった分、失われたものも大きい。

海外進出もしたかったし、メジャーな賞も取りたかったし、何よりそうしなければ多くのスタッフを養えなかったという台所事情もあるのでしょうから、仕方がないのかもしれません。ですが、それでも一番最初に観た宮崎監督の作品が、80年代のものでよかった、と正直に思います。

「ポニョ」はどんな感じなのかな?
歌だけはインパクト大で、耳について離れないのですが・・・。

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にゃんこの舟盛りの映画・アニメレビューを独立させてみました。ほぼ連動してますが、こちらのが若干マニアックでクドイ(苦笑)かも・・・。

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